音楽出版社Round Hillが Suno(とAnthropic)を提訴、最大10億ドルの損害賠償を請求
独立系音楽出版社Round Hill Musicが、カリフォルニア北部地区連邦地方裁判所にSunoを著作権侵害で提訴しました。同社は、Sunoがライセンスを取得せずに著作権保護された楽曲や歌詞をAIモデルの学習に使用したと主張しています。Round Hillは同日、Anthropicに対しても並行して別の訴訟を提起しました。同出版社は、統計的損害賠償額が各社に対して「数億ドル、場合によっては10億ドルに達する、あるいはそれを超える可能性がある」としています。
詳細
- 原告: Round Hill Music LPおよび関連する5つのファンド・持株会社
- Sunoに対する主な主張: 直接的な著作権侵害、DMCA(デジタルミレニアム著作権法)に基づくアクセス制御の回避、著作権管理情報の削除
- 共同被告としてBright Dataを名指し: Round Hillは、データスクレイピング業者Bright Dataが、SunoがYouTube Music、Deezer、Geniusなどライセンス対応プラットフォームから著作権保護コンテンツを収集する際に使用したプロキシネットワークやスクレイピングツールを提供したと主張。スクレイピング業者を寄与侵害者としてAI音楽訴訟に組み込んだ最初期の事例の一つとなる
- 対象楽曲: 当初の訴状では、Goo Goo Dollsの「Iris」、Bonnie Tylerの「Total Eclipse of the Heart」、James Brownの「I Got You (I Feel Good)」などおよそ500曲を対象としており、今後訴状を修正し1万曲超をカバーする計画があるとしている
- 請求額: 著作権法に基づき、故意侵害と認定された楽曲1曲につき最大15万ドル
- Round Hill CEO Josh Gruss氏のコメント: 「私たちはAIそのものに反対しているわけではない。他者のクリエイティブな仕事の上に数十億ドル規模のビジネスを築きながら、クリエイターには一切対価を払わないという発想に反対しているのだ」
- 代理人Richard S. Busch氏のコメント: 「そこにフェアな利用など存在しない。我々は裁判所と陪審の前で主張を展開することを楽しみにしている」
- Round Hill側の代理人は、和解を求めておらず、法廷で争う姿勢を示している
これは、Sunoに対する今夏の法的圧力の高まりの延長線上にある動きです。UMGによる進行中の訴訟(裁判官が対象楽曲数を560曲から6万1000曲超に拡大するレーベル側の申し立てを退けたばかり)や、2025年11月のデータ侵害をめぐる2件の集団訴訟もすでに係属中です。
その後
- 提訴時点でSuno、Bright Data、Anthropicのいずれも公式な声明を出しておらず、報道各社が3社にコメントを求めている
- 本件は、既存のUMG Recordings訴訟と並び、Sunoに対するAI音楽著作権訴訟の件数をさらに増やすことになる
- 続報はSuno公式サイト(suno.com)およびカリフォルニア北部地区連邦地方裁判所の訴訟記録を参照