Moonshot AI、金融向け「Kimi」を発表——S&P Global・SEC EDGAR・FREDのデータをアプリ内で直接参照
Moonshot AIが、金融業界向けの「Kimi」を発表しました。専門的な市場データや企業データを、AIアシスタントのKimiから直接呼び出せるようにするものです。フロンティアモデルの開発競争から、商用の業界特化アプリへと軸足を広げる動きとしては、これまでで最も明確な一手といえます。なお、Moonshot側の公式ブログ記事は見つからなかったため、本記事はCNBCの報道をもとにしています。
詳細
- 提携データ: S&P Global Market Intelligence、Crunchbase、中国の金融情報端末Wind、企業データベースの天眼査(Tianyancha)、地元の金融ニュース各社のデータにアクセス可能
- 公的データ: 米SECの開示システムEDGAR、IMF、世界銀行、米連邦準備制度の経済データベースFREDにもKimiから直接アクセスできます
- 専用画面は不要: 独立した製品ではなく、通常のKimiに組み込まれる形での提供。CNBCがモバイルアプリで試したところ、利用できるデータの範囲はサブスクリプションのプランによって異なりました
- 料金: Kimiのサブスクリプションは月額49元(約7.31ドル)から699元(約104.23ドル)まで
- 導入企業: 投資銀行のCICC(中国国際金融)や、ベンチャーキャピタルのHongShan(旧セコイア・チャイナ)が利用しているとのこと。Moonshotの宣伝動画にはドイツ銀行北京支店の責任者も登場していますが、同行は顧客かどうかについてコメントを控えています
- 基盤モデル: 7月に公開されたフラッグシップモデルKimi K3
その後
最初の業界特化先として金融を選んだ形で、Moonshotは、アナリストやバンカー向けに自社モデルと有料データを組み合わせて提供する米国勢と同じ戦略を取り始めました。同社には香港での新規株式公開(IPO)に向けて非公開で申請したとの報道もありますが、同社はコメントを控えています。また、この発表の直後となる9月30日には、OpenAIがモデル蒸留をめぐってMoonshot関係者を名指ししており、中国国外の規制対象の金融機関へ売り込むうえでは逆風となる可能性もあります。