Mistral、1兆パラメータのオープンウェイトモデル「Mistral Large 4」を発表 愛称は「Le Chonk」
Mistral AIは2026年10月6日、オープンウェイトのフラッグシップモデル「Mistral Large 4」を発表しました。同社はクローズドモデルだけでなく、中国勢のトップクラスのオープンウェイトモデルも含めた競合を上回ると主張しています。そのサイズから社内で「Le Chonk」の愛称で呼ばれるこのモデルは、MistralのAPI経由でプレビュー提供がすでに始まっており、完全なオープンウェイトは10月27日に公開される予定です。
詳細
- アーキテクチャ: ネイティブマルチモーダルな、指示応答と推論のハイブリッド型Mixture-of-Expertsモデル。総パラメータ数1兆、トークンあたりのアクティブパラメータは490億、さらに16億パラメータの画像エンコーダーを搭載
- 学習: Mistralが自社保有する欧州のデータセンターで、NVIDIA Grace Blackwell GPU 3,800基を用いてゼロから学習。訓練後の段階では大規模な強化学習により1日あたり約330億トークン(学習対象の完了トークンは160億)を生成
- ベンチマーク: Artificial Analysis Cyber Indexで上位5位にランクイン、Cybenchで93%、脆弱性再現テスト(CyberGym-E2E)で82%を記録。コーディングではDeepSWE v1.1で61.7%、Terminal-Bench 4.0で28.3%。視覚的グラウンディングのベンチマークではGPT-6-Astraをわずかに上回る(42%対41%)
- 対応言語: EUの全公用語を含む160以上の言語に対応
- 提供形態と価格: Mistral Studio API経由でのプレビューを提供中(入力100万トークンあたり1.36ドル、出力100万トークンあたり4.18ドル)。世界各地域でのデプロイが可能で、EU法に準拠した独立運用のヨーロッパデプロイも用意。オープンウェイトの公開は2026年10月27日
- 位置づけ: Mistralは本リリースを、欧州における「第三の道」としてのAI戦略の一環と位置づけており、フランスのエマニュエル・マクロン大統領のコメントとも関連づけられている。特定の分野では中国勢の複数のオープンウェイトモデルを上回るとも主張している
その後
今回の発表により、米国勢、中国のオープンウェイト開発陣、そして欧州の「ソブリンAI」に賭けるMistralという三つ巴の競争が一段と際立つ形となった。欧州のデータセンター、EU法に準拠したデプロイの選択肢、そして米中インフラの代替を求める商用・政府双方の顧客を見据えたオープンウェイト戦略がその柱だ。完全なウェイトの公開は10月27日まで持ち越されるため、Mistralが主張するベンチマーク結果の第三者検証はそれまで待つことになるが、発表自体はその公開日に向けて競合各社にプレッシャーをかける格好となった。