OpenAI、社内モデル「Astra」で数学・理論計算機科学の未解決問題10件に前進 ― Erdős問題やConnesの剛性予想にも成果
OpenAIは、社内開発の実験的モデル「Astra」を用いて、数学および理論計算機科学における長年の未解決問題10件について新たな成果を得たと発表した。高次元の球充填やRamsey数の下界、Connesの剛性予想の反証など、いずれも人間の数学者による従来の到達点を更新する内容で、証明の一部はLeanによる形式化まで行われている。
詳細
- 高次元球充填: Cohn–Elkiesの下界まで踏み込んだ、高次元における球充填密度の新たな上界を導出
- 符号理論: 二値符号の最大サイズに関する上界を大幅に改善し、球面符号についても同様の成果を得た
- 非sofic群の構成: 群論における中心的な問いの一つである「非sofic群は存在するか」に対し、具体的な構成による証明を提示
- Connesの剛性予想の反証: フォン・ノイマン環から群が一意に定まるとする長年の予想「Connesの剛性予想」を反証した
- 算術回路の計算量: パーマネントを算術回路・論理式で計算する際の新たな下界を証明
- 量子並列反復定理: 古典的な複雑性理論の原理を量子ゲームに拡張した、指数的な並列反復定理を確立
- 最近接ベクトル問題: 格子暗号の基礎となる最近接ベクトル問題について、多項式係数での近似困難性を証明
- Ehrhartの体積予想: 格子点に関する特定の制約下での凸体の最大体積を決定
- 多色Ramsey数: 多色三角形Ramsey数について超指数的な下界を証明し、Erdős問題183を解決
- 極値数予想: コンパクト性・退化性に関する予想について成果を得て、Erdős問題146・180を解決
- 手法: 各成果に要した計算コストは約2,000ドル程度で、人間の数学者が原稿の整備とLeanによる形式的証明化を担当した
使ってみるには
- 一般公開されたプロダクト機能ではなく、社内実験モデルによる研究成果の発表である
- 各成果の詳細な証明や論文は、今後OpenAIや共同研究者から順次公開される見込み
- 詳細はOpenAIの公式ブログ記事(https://openai.com/index/ten-advances-in-mathematics)を参照